エステサロンの開業準備のなかでも、重要な作業のひとつにコンセプトの設計があります。エステサロンの安定経営を続けるためには、開業準備の段階でコンセプトを明確化しておくことがとても重要です。

この記事では、エステサロンにおけるコンセプト設計のポイントを解説します。実例も紹介しますのでコンセプト設計にお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

 

エステサロンになぜコンセプトが重要か？

 

エステサロンにおけるコンセプトとは、サロンの存在意義や経営していくうえでのルールや考え方をまとめたものです。コンセプトが重要な理由は「他店との差別化」や「スタッフの意識の統一」ができることです。

コンセプトを明確にして他のサロンとの違いをアピールすることで、お客様のニーズにピンポイントでアプローチできるため集客につながりやすくなります。

また、スタッフ間で共通認識を持ってサービス提供を行うことで、サービスのクオリティ向上にもつながります。

 

サロンのコンセプト作成ステップ

 

コンセプト設計はむずかしそうなイメージですが、ポイントを押さえて順序立てて進めれば複雑ではありません。ここからは、実際のコンセプト作成をする際に必要なステップを、項目ごとに解説していきます。

コンセプトの作成でお悩みの方は実践してみてください。

 

ターゲットをイメージする

コンセプトを作成するにあたって大切なのは、サロンがターゲットとするお客様を明確にすることです。ターゲットとなるお客様によってエステサロンに求めるものも異なります。

そのため、コンセプト作成の最初の段階でターゲットをきちんと明確にしておくと、サロンの雰囲気作りやメニューの設定時に他のサロンとの差別化が図りやすくなります。

ターゲットとなるお客様像は、年齢や性別だけでなくバックグラウンドまで細かく設定することがポイントです。

 

サロンの理念を明確にする

サロンの理念を明確にしておくことも大切です。理念とは、サロンの基本となる考え方や業務に対する姿勢、目指すべきものなどを言語化したもののことを指します。

サロンとしての理念が明確になっていれば、実現するための手段としてサロンの方向性を定めやすくなります。理念はサロンの考え方の土台となる部分です。

理念を明確にしてコンセプトに組み込むことで、スタッフの業務に対するモチベーションアップにつながり、サービスクオリティの向上につながります。

 

他店に負けない独自性を考える

近年、エステサロン業界は店舗数も増えており、集客競争が激化しています。競合するサロンに差をつけるためには、サロンの独自性をアピールすることがとても重要です。

ターゲット層に設定したお客様のニーズや趣向をしっかりリサーチし、他のサロンにはない魅力をアピールすることで集客効果アップが期待できます。

サロン独自の施術メニューやこだわりの内装など、お客様がサロンを選ぶ決め手となる強みを明確にしコンセプトに組み込むことがポイントです。

 

サロンの空間や商材のこだわりを明確にする

エステサロンとしての空間や、商材に関するこだわりを明確にしておくことも大切です。接客方針へのこだわりも明確にしておくことで、サービスクオリティやお客様満足度アップにもつながります。

サロンのこだわりは付加価値を高めるための大事なポイントです。完全個室やアロマなど、ターゲットとするお客様のニーズを踏まえた空間を演出することや、商材の原料や産地へのこだわりなどを明確にすることで、独自性のアピールにもつながります。

 

エステサロンのコンセプト例5選！

 

ここからはエステサロンのコンセプトの例を紹介していきます。掲げるコンセプトによってお客様に与える印象が全く異なります。

それぞれのコンセプトのポイントを押さえて、サロンコンセプト作成時の参考にしてみてください。

 

特別な空間を独り占め。1日2名様までの完全予約制

このコンセプトは、お客様に特別感を感じていただくことが目的のコンセプトです。金額は高くても自分へのご褒美として利用したい方や、静かな空間でハイクオリティな施術を受けたい方をターゲットとしています。

特別な空間や1日2名限定という単語がターゲットとなるお客様を刺激し、利用されるお客様のリラックス効果を重視しています。

コンセプトをしっかり実現するためには、内装やインテリアへのこだわりはもちろん、スタッフの施術のクオリティの高さも求められます。

 

気軽に立ち寄れるアットホームな雰囲気で疲れを癒して

このコンセプトでは、エステサロンの利用が初めての方や利用に不安や緊張感がある方をターゲットにしています。お客様が気軽に立ち寄れる立地にすることや、サロンの雰囲気づくりが重要なポイントになってきます。

エステサロンの利用に馴染みのない方にエステサロンを身近に感じてもらうことが目的です。そのため、ターゲット層のお客様に効果的にアプローチするためには、メニューの内容や価格設定をわかりやすいものにし、安心感を与えることも大切です。

 

最新の技術とこだわりの化粧品であなたの「なりたい」を叶えます

お肌のトラブルをなくしたいお客様をターゲットとしたコンセプトです。最新の技術と化粧品を駆使したサービスを提供し、お客様のお肌を最高の状態に導いてあげることを目的としています。

この最新技術という独自性や、こだわりの化粧品というフレーズには、お客様のニーズにピンポイントでアプローチする効果があります。

このように明確なニーズを持ったお客様に対し、サロンとしてのこだわりや独自性をアピールすることで集客につながりやすくなります。

 

 

インスタ映えもするリゾート空間で非日常をあなたに

このコンセプトは、非日常感とリラックス効果を感じてもらうことを目的としたコンセプトです。日常に疲れて癒しを求めている若い世代をターゲットとしています。

インスタ映えするようなインテリアやおしゃれなドリンクサービスなど、まるで海外のスパにいるかのような演出で、お客様に非日常感を感じていただくことにより、他のサロンとの差別化を図ることができます。

メニューもサロンの雰囲気に合わせた内容にすることで、より一層オリジナリティが高まり効果的です。

 

低価格・短時間でも「きれいになりたい」を応援

このコンセプトは、主婦やママさん世代をターゲットにしたコンセプトです。家事や子育て、仕事などで忙しく、長い施術時間や高い料金に抵抗がある方でも利用できるようなサロンであることを目的としています。

このコンセプトでは、立地や周辺環境なども考慮し、より利用しやすい環境を提供してあげるとより集客効果が期待できます。

最新設備やラグジュアリーな空間で行う施術よりも、時間効率やコストパフォーマンスを重視したサービスを提供することが求められます。

 

まとめ

 

エステサロンを経営していく上で、コンセプトは集客率を左右する重要な存在です。漠然としたコンセプトでは集客にはつながりません。

サロン経営の土台となる理念やターゲット層をしっかり設定し、オリジナリティのあるコンセプトを設計することが大切です。ひとつひとつステップを踏みながら、念入りにコンセプトを計画し、サロンを成功に導きましょう。