美容業界やエステ業界で働いている人の中には、自分のお店を持つことを夢に見ている人も多いのではないでしょうか。エステサロンの個人経営は難しいと思うかもしれませんが、意外にハードルは低いんです。

今回はそんな個人エステサロンの開業方法をご紹介します。メリットや注意点、開業の流れについて詳しく解説していきます。

 

個人でエステサロンを経営するメリット

 

個人エステサロンならではのメリットが多くあります。

• 上司や部下がいないので人間関係に悩まない
• 年収アップが期待できる
• ライフスタイルに合わせて働ける

上記の他にもメリットがありますので解説していきます。

 

個人エステサロンはリピートされやすい

それまで他のエステサロンで働いていた場合は、前のお店のお客様が来てくれてリピーターになるケースが多いでしょう。また、従業員や顧客が多い大きなサロンには入りづらいという人が、好んで個人サロンに来ることもあります。

個人エステサロンは1人または数人のアットホームな雰囲気なので、続けて通いやすいと思っている人もいます。個人ならではの小規模サロンがお客様に安心感を与えていることでリピートされやすくなるといえます。

 

自由にエステサロンのコンセプトを決められる

自分がオーナーなので、好きなようにお店を作れるのも個人エステサロンの良さです。大きなサロンにはない、個人サロンならではのコンセプトが集客につながることもあります。

• その地域ならではのサービス
• オーナーの強みを生かしたメニュー
• 自分好みの内装

など、社員として働いていたらなかなか実現が難しいことでも個人サロンならできます。独特なメニューや斬新なサービスなどでお客様に印象付けて、次の来店につなげることもできます。

 

お客様と近い距離感で接客ができる

基本的に施術は1対1ですし、従業員も自分1人もしくは数人です。お客様は「他の人に聞かれるのでは」と心配することなく、悩みや相談がしやすい環境といえます。

個人サロンであれば、毎日何十人と来店するわけではないので、施術する側も1人1人の話をゆっくりと聞きやすいこともメリットです。施術による効果も大切ですが、お客様の中には悩みを誰かに聞いてもらいたいと思う人も多くいます。

近い距離で接することができる個人サロンだからこそできることです。

 

個人でエステサロンを経営する際の注意点

 

上記のようにメリットが多くある中、もちろん注意しなければならない点もあります。そんな個人エステサロンの注意点を詳しく解説します。経営や今後の存続に大きく関わってくることですので、慎重に計画しましょう。

 

回転率が悪くなってしまう

1人または数人での施術なので、どうしても1日に対応できる顧客人数に限りがあります。また、準備や片付けも全部行いますから、お客様1人当たりにかかる時間は長くなってしまいます。利益率を上げるには

• 単価を上げる
• 回転率を上げる

のどちらかですが、ただ単に単価を上げるのは難しいです。顧客が離れてしまう危険性があるからです。施術時間を短くする、予約管理をするなど回転率を上げる工夫をする必要があります。

 

価格帯は高めに設定しないといけない

個人エステサロンは、大手のサロンよりも少し料金設定が高めだと思ったことはありませんか？お客様からすれば安いに越したことはありませんが、あまりにもリーズナブルにしてしまうと経営が回らなくなります。

しかし、高すぎた価格設定も顧客離れや集客率ダウンにつながります。大手のサロンより少し高くてもこの個人サロンに来たいと思わせるような、価格に見合った施術や接客をすることが大切です。

個人の強みを生かしたサロンにしましょう。

 

全て自己責任で行わなければならない

社員として働いていれば、お客様が来なくても給与は支払われていたと思います。しかし、個人でサロンを開くということは給与の保証が無くなるということでもあります。

売上がなかったら給与もなし、トラブルが起きたら自分で解決、というようにすべて自己責任で行わなければなりません。設備やエステ機器等の点検、顧客管理もすべて自分で行う必要があります。

経営が初めての方や苦手な方は、外部に依頼するという方法も1つの手ですね。

 

個人でエステサロンを開業する際の流れ

 

開業するまでの流れがわからない、何をしたらいいんだろうという方も多くいると思います。個人エステサロン開業までの流れと、大事なポイントについて解説していきますので、開業を考えている方は参考にしてください。

 

事業計画を立てる

初めに事業計画を立て、事業計画書を作成します。事業計画書というのは、資金計画や開業から3～5年の中期計画等をまとめたもののことです。資金の融資を受ける方がいると思いますが、融資を申し込む際には必ずこの事業計画書が必要になります。

しかし融資を受けない方でも作成しておくことをおすすめします。事業計画を立てることによって、いつからいつまでに何をしたらよいのか、どういったお店にしていきたいのかが明確になるからです。

 

資金を用意する

自分で貯金する、金融機関に融資を受けるなど方法はいくつかあります。お金を準備するのは当たり前ですが、その前に物件・設備・広告費・光熱費・人件費など、何にお金がかかるのかを洗い出すことが大切です。

細かい消耗品なども予算として出しておくことで、後で足りなくなってしまうということを防げます。また、開業後数か月間は売り上げは0円と想定して運転資金も確保しなくてはなりません。

余裕をもって6か月ほど用意しておくとよいでしょう。

 

設備の準備や内装の改装を行う

自宅やマンション、テナントなどの物件を決めたら、必要な設備の準備や内装の改装をします。賃貸の場合は、契約前に自分の予定している内装工事、または外構工事ができるかどうかを見てもらいましょう。

物件の契約後に工事ができないといわれることも少なくないからです。設備の準備は少しずつ行うことをおすすめします。とりあえず必要最低限の設備だけ準備をして、開業後に必要になったら揃えたほうが無駄なくできるからです。

 

開業届を出して事業主になる

開業したら開業届を出しましょう。開業届は税務署に「私は開業して利益を出してきちんと納税していますよ」と申告するためのものです。罰則はないので提出しなくても営業はできます。しかし、開業届を出すことでメリットがたくさんあります。

• 最大65万円の控除が受けられる青色申告ができる
• 屋号付きの口座が作れる
• 確定申告の書類やガイドを送ってもらえる
• 就業の証明になる

特別な理由がなければ開業届は出した方が良いでしょう。

 

個人エステサロンの年収はどのくらい？

 

個人エステサロンの年収は

• 業種（経費）
• サロンの規模
• 単価
• 集客率

などで変わってきます。

例えば、単価6,000円×1日4名×20日営業－経費10万円＝38万円となり、年収は456万円です。もちろん、単価を上げたり1日の顧客人数を増やしたりすることで年収も変わります。

高額な機材を必要としないマッサージやネイルなどは、より収入を増やせるかもしれません。収入は不安定ですが、頑張った分だけ増やせるのは個人エステサロンの魅力です。

 

必要経費はしっかり確定申告しよう！

 

まず確定申告は、一定額以上の収入がある場合に必要なものです。そして、事業に直接的に関係したものは経費として申告できます。

例えば

• 消耗品の仕入れ
• 商材の仕入れ
• 機器の購入費
• ホームページ作成費用
• スタッフへの給与
• 顧客用のお茶やお菓子代
• 内装工事

などが当てはまります。ただし、過剰に計上すると脱税とみなされることもありますので、経費精算システムを導入するなどして適切に経費計上を行ってくださいね。

 

まとめ

 

今回は個人エステサロンのメリットや注意点、開業までの流れを解説しました。美容関係に携わっている方は1度は夢に見る個人サロンの開業。個人エステサロンの開業は決してハードルは高くありませんが、注意すべき点も多いです。

自分のサロンをぜひ長く続けられるように、しっかりとした事前準備をして挑んでくださいね。