「いつか独立して自分のお店を持ってみたい！」

美容師として働いていると、このような夢を持つ方も多いのではないでしょうか？

中でも、夫婦で、または仲間などで、と2人経営をするスタイルも人気ですよね。

立地やターゲット層などもさまざまな美容室が、全国には数多くあります。

しかし、売り上げを維持し、伸ばしていかなければ経営していくことはできません。

今回は、美容室を2人で経営する際の売り上げ目安はどのくらいになるのかや、売り上げアップにつながる集客方法について解説していきます。

美容室の開業を目指すにあたって不安をお持ちの方は、ぜひ参考にしてみてください。

美容室を2人で経営する際の売り上げ目安は月100万円

まず、美容室の売上は、客数×客単価で決まります。

美容室を2人で経営する際、経営を継続していくために必要な1か月の売り上げ目安は、ずばり100万円と言われているのです。

美容室の経営には、家賃や材料費、光熱費などもかかってきますが、利益を出しながら経営者や従業員の給料を支払っていくことも必要になります。

 

1人あたり50万円の生産性

2人で美容室を経営していく際の1か月の売り上げ目安は、100万円。

それならば、1人あたりの生産性は50万円を目指すこととなります。

ここで、1人あたりの売り上げをシミュレーションしてみましょう。

施術メニューにもよりますが、1人のお客様にかける時間をおよそ90分とすると、1日の営業時間で対応できる客数は5人程度となります。

厚生労働省が公表する美容業における統計情報のページによると、客単価は全国平均およそ6,000円です。

1日に5人が来店し、1人で担当する計算だと

1日の売上は 6,000円×5人＝30,000円。

定休日を1か月に5日設けるとし、1か月30日とすると、営業日は25日間です。

1か月の売上は 30,000円×25日＝750,000円。これは50万円の目標を大きく上回ります。

しかしこちらは、毎日休む間もなくお客様の対応にあたった際のケース。

実際には、日によって来店するお客様の数にも差があるでしょうし、客単価にもばらつきがあるでしょう。

 

月の売り上げ80万円のサロンが20万円アップするには？

ここまで、美容室を2人で経営する際の売り上げ目安は100万円だとお伝えしてきました。

例えば月の売り上げが80万円のサロンならば、あと20万円で目安をクリアすることができます。

それでは、売り上げをあと20万円伸ばすにはどうしたら良いのか、その方法を解説していきます。

 

1日8000円の売り上げをアップさせる

漠然と「20万円」という数字を思い浮かべてみても、具体的な施策を思いつくことは難しいのではないでしょうか？

そこで、1日単位で売り上げアップに必要な金額を算出してみましょう。

定休日を1か月に5日設けるとし、1か月30日とすると、営業日は25日間です。

1日あたりアップさせたい売り上げは 200,000円÷25日＝8,000円。

「1日あたり、あと8,000円の売り上げ増加を目指せばいいのか」と気づくことができれば、具体的な施策を考えるステップにも進みやすくなります。

 

新規集客を増やす

美容室の安定した経営において、常連の顧客は欠かせない存在です。

しかし、そうした顧客も引っ越しやニーズの変化など、さまざまな都合でいなくなってしまう可能性があります。

常連頼りでは、経営を続けることが難しい状況に陥る危険性もあるのです。

そのため、集客を行って新規の顧客を増やすことが大切になってきます。

集客によって増やした顧客がリピーターとなり、売り上げを支えてくれるようになるかもしれません。

集客方法については、後ほど詳しく解説します。

 

プラスメニューを提案する

新規の顧客を増やすことが大切な一方、人手の少ない2人美容室のような営業形態では生産性に限りがあります。

せっかくたくさんのお客様が来店しても、1日に施術対応ができる数はそう多くないからです。

2人で経営する美容室で売り上げを増やすには、客単価を上げることも重要になります。

とはいえ、お客様の多くは費用を抑えながらヘアスタイルの維持や改善を求めていることでしょう。

予算より多い施術料金がかかるとお客様の負担は大きくなってしまい、「次回はもっと安い美容室に行こうかな」と思われるかもしれません。

そこで、カットの施術のついでに提案しやすい、安価なプラスメニューを取り入れてみるのはいかがでしょうか。

部分白髪染めなどの「ポイントカラー」や、毛先をまとまりやすくする「ポイントパーマ」など、負担を感じにくいメニュー提案をすることで、1人あたりの客単価アップも期待できます。

 

パーマやカラーなど高単価なターゲット層を狙う

髪への悩みやこだわりが少なく、定期的なカットの施術のみで満足する顧客は一定数いることでしょう。

一方、さまざまな理由でパーマやカラーの施術を求める顧客も多くいます。

客単価をアップして2人で経営する美容室で売り上げを増やすには、こうした高単価な施術へのニーズがあるターゲット層を狙うことも大事です。

例えば、

・流行に敏感で、定期的なイメージチェンジを楽しみたい
・髪のボリュームが気になってきたので、パーマを取り入れたい

など、パーマやカラーを取り入れたい理由は顧客によって多種多様。

ターゲット層も異なってくるので、経営する美容室のニーズや立地などに合わせて考えてみてください。

 

美容室を2人で経営する際の具体的な集客方法5選！

2人で経営する美容室で売り上げを増やすのに欠かせないのが、集客です。

集客に役立つツールはたくさんありますが、ターゲットとする層に確実に届く方法で行うことが特に効果的となるでしょう。

ここからは具体的な集客方法をお伝えします。

 

ホットペッパーなどの集客サイトを活用する

まずは、「ホットペッパーなどの集客サイトを活用する」です。

大手集客サイトは、地域ごとに美容室が検索でき、お得なクーポンも利用することができるため、ユーザー数も多いことが特徴です。

美容室の経営者側としては、美容室の認知度アップのしやすさや予約管理の簡単さにメリットがあります。

また、美容室を掲載する料金はエリアやサービス内容で異なるため、個別で問い合わせをする必要があります。

注意点として挙げられるのは、新規顧客を獲得したいがために、新規のお客様に対するクーポンを手厚くしすぎてしまうことです。

2回目以降の施術料金との差が大きくなりすぎると、リピーターがつきにくくなってしまいますので、バランスに留意しましょう。

 

SNSを活用して集客する

集客方法で有効な施策として、続いては「SNSの活用」をご紹介します。

現在、幅広い年代の方がスマートフォンを使用し、SNSを利用するようになりました。

周りとのコミュニケーションを目的とするほか、情報を収集する際もSNSを使用する方が多いです。

そこで、美容師が写真や動画に特化したInstagramなどのSNSを活用し、ヘアカットやスタイリングの事例を掲載してみるのはいかがでしょうか。

今はヘアカタログ代わりにSNSでの検索を取り入れるのも定番となっています。

その写真や動画を目にした人は髪型の参考にするだけでなく、将来的に顧客となる可能性だって生まれるのです。

美容師個人にファンがつけば、さらに集客チャンスにも恵まれることでしょう。

SNSのダイレクトメッセージ機能なども活用し、お問い合わせに対応できる窓口も用意しておくのがおすすめです。

 

チラシやクーポンのポスティング

集客のためには、ご自身の経営する美容室の認知度アップが不可欠です。

同じ美容室といっても、最近は一見カフェなどと間違えるような、お洒落な店舗も増えてきました。

「あ〜、あの建物は美容室だったんだ！」と気づいてもらうこともまた、集客への一歩となります。

認知度を高めるために、定番ながら侮れないのが「チラシやクーポンのポスティング」です。

特に店舗の近隣地域に絞って集客を見込めるので、ご近所からの需要も満たすことができそうですよね。

「チラシやクーポンのポスティング」をする際は、地域にどのような人が住んでいるかをよく分析し、ターゲット設定をすることが大切です。

一戸建てが多い住宅街なのか、一人暮らしの若者が多い学生街なのかによっても、喜ばれる施術メニューが変わってくるからです。

チラシやクーポンを作成するためにはデザイン費や印刷代もかかるので、予算面にも注意しながら集客に取り入れていきましょう。

 

紹介制度やキャンペーンなどを行う

続いてご紹介する集客方法は、「紹介制度やキャンペーンなどを行う」です。

リピートしたくなるようなお気に入りの美容室がないという方は、実は多いのです。

「どこか良い美容室があれば、そちらに移りたい」と考えている方も少なくないでしょう。

経営する美容室の顧客の中には、そうした知り合いを持つ方もいるのではないでしょうか。

そこで、「新規のお客様を紹介してくれた方」と「紹介を受けて新規来店してくれた方」の両方に割引を行うキャンペーンを設けるのがおすすめです。

紹介制度で新規来店するお客様としても、すでに知り合いの顧客の存在があるわけですから、安心してリピーターになってくれる可能性もあります。

 

ネット広告などを活用する

最後にご紹介する集客方法は、「ネット広告などを活用する」です。

一度も目にしない日はないほど、ネット広告は私たちの生活で身近になっていますので、活用することで集客のチャンスも広がることでしょう。

一口にネット広告といっても、今はWebサイトに載るもののほか、LINEやFacebook、InstagramといったSNSに掲載するものなど、気軽に取り入れることができる選択肢も増えてきています。

そのため、予算やターゲット層に合わせて、より届けたい方に届くような掲載先を見極めることが大切になるのです。

ネット広告の活用を考えている方は、広告への知識も必要となります。

運用する方法を学ぶことは望ましいですが、広告運用の代理店に依頼することで、美容師としての施術やスキルアップに時間を割くことができそうです。

予算のある方は検討してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ

今回の記事では、美容室を2人で経営する際の売り上げ目安はどのくらいになるのかや、売り上げアップにつながる集客方法について解説してきました。

2人で経営する美容室は、小規模なため1日に対応できるお客様の数は限られてしまいます。

そこで美容室の認知度を上げて新規顧客を獲得すること、そして顧客のニーズに応えて客単価をアップさせることといった両輪で工夫を重ねていくことが大切です。

美容室の開業を目指すにあたって不安をお持ちの方には、まずはご自身の理想とする経営のあり方を振り返ってみましょう。

そこで見えてきた課題に取り組むことで、安定した経営や売り上げアップを叶えることができるはずです。