面貸し(めんかし)はフリーランスの美容師に増えている働き方の1つ。
ミラーレンタルと呼ばれる場合もあります。
美容師として独立する場合、面貸しのメリット・デメリットについて押さえておくことをおすすめします。
今回は、面貸しの相場に加え、想定できる売上などについて取り上げます。
美容師の面貸しとは
面貸しとは、美容室の空いている時間・営業時間外に使用していない席を他の美容師と契約してレンタルすること。
業務委託同様、個人事業主です。
店舗と直接雇用をするのではなく、オーナーと契約することにより、自分の都合に応じて働くことができます。
ライフスタイルに合わせて柔軟に働きやすくなるため、家事や子育て中の空いた時間を有効活用したい美容師などに適しています。
InstagramなどのSNSを活用することにより、集客・ブランディングができる点も特徴の1つ。
独立に向けて、認知度を向上させたい方にも面貸しを利用した働き方がおすすめです。
面貸し料金の費用相場はどのくらい
面貸しの料金体系は以下の通り。
- ・月額制
- ・時間制
- ・歩合制
各料金体系の違いを理解した上で面貸しを利用して働くことが重要です。
ここでは、面貸し料金の費用相場が一体どのくらいかについて解説します。
月額制
面貸しで働く美容師の多くは月額制で契約をしています。
費用相場は約5万円~20万円。
サブスクのように毎月決まった額を支払います。
時間制
時間制は1時間3,000円など、利用時間に応じて料金を支払う料金体系です。
費用相場は約2,000円。
歩合制
歩合制は売上から一定の料金が支払う料金体系です。
30%の歩合還元率で契約していた場合、売上が10,000円なら3,000円を支払います。
売上に対しての還元率のため、赤字にならない点がポイント。
美容師の面貸しのメリット
美容師が面貸しを利用して働くメリットとして、以下のものが挙げられます。
- ・自由な働き方ができる
- ・最初から最後まで1人の顧客を担当する
- ・開業時の初期費用がかからない
- ・空き時間・スペースを有効活用できる
ここでは、面貸しの各メリットについて紹介します。
自由な働き方ができる
仕事量・勤務日を選び、ライフスタイルに合わせた自由な働き方ができます。
子育てなどにより、働く時間が限られている方に適している点がメリット。
スケジュールを調整すれば、ダブルワークができる点もメリットに挙げられます。
最初から最後まで1人の顧客を担当する
美容師の面貸しを利用して働く場合、最初から最後まで1人の顧客を自分で担当します。
カウンセリングから会計まで担当することにより、顧客の悩みなどを共有しやすい点がメリット。
顧客満足度を向上すれば、リピーターの獲得につながる場合があります。
開業時の初期費用がかからない
開業時の初期費用がかからない点も美容師の面貸しを利用して働くメリットです。
美容室を開業する初期費用が用意できないなどの悩みがある方は美容師の面貸しを一度検討することをおすすめします。
空き時間・スペースを有効活用できる
オーナー側の美容師は顧客が入っていない空き時間・スペースを有効活用できます。
また、プラスの収益が得られる点もメリット。
美容師の面貸しのデメリット
美容師の面貸しには、メリットだけでなく、デメリットも存在します。
主なデメリットは以下の通りです。
- ・収入が安定しない
- ・備品などの準備を自分で管理しなければならない
- ・開業届の申請などが必要
- ・契約の手続きに手間がかかる
ここでは、美容師の面貸しのデメリットについて取り上げます。
収入が安定しない
面貸しの働き方がフリーランスになるため、収入が安定しない点がデメリット。
雇用されていた時と異なり、給料や有休などの保証が無くなります。
備品などの準備を自分で管理しなければならない
施術時に利用するカラー剤や備品などの準備も自分で管理しなければならない点もデメリットです。
契約の際、薬剤・備品・光熱費などが費用に含まれているかどうか注意する必要があります。
開業届の申請などが必要
開業届の申請をはじめ、国民年金・健康保険の手続きや確定申告が必要な点もデメリット。
独立する際、開業届の申請などの方法を押さえておくことが重要です。
開業届について詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
契約の手続きに手間がかかる
オーナーは契約の手続きに手間がかかります。
美容師によっては美容室のイメージに合わない場合があるため、注意が必要です。
美容師の面貸しで想定できる売上はどのくらい
フリーランスの美容師が面貸しで仕事を始めた場合、働いた分が給料に直結します。
売上の約70~80%が報酬。
売上が100万円の場合、報酬は70~80万円です。
自由に働けるメリットを活かせば、集客できる日に働くこともできます。
美容師の面貸しの注意点
面貸しを利用して働く美容師は、収入や経費などを自分で管理します。
正社員の時と異なり、自分でやらなければならない業務が増える点に注意が必要。
ここでは、美容師の面貸しにおける注意点について取り上げます。
確定申告などの経理をしっかりと行う
美容師の面貸しを利用して働く場合、確定申告が義務付けられます。
賃借料1年分の領収書に加え、カラーなどの材料費などの経費も併せて申告します。
納税の処理が遅れないようにすることが重要。
確定申告に漏れがあると、トラブルにつながります。
また、個人事業の開業届出書・所得税の青色申告承認申請書を提出します。
開業届は提出期限があるため、提出期限内に提出するためにスケジュール管理が求められます。
自己管理に注意
美容師の面貸しを利用して働く場合、フリーランスになります。
フリーランスになると、社会保険・雇用保険・労災保険が無くなる点に注意が必要。
怪我・病気で働けなくなると、失業手当や産休、育児休暇などが無いです。
リスクを踏まえ、事前に保険について調べておくことをおすすめします。
フリーランス協会や安田保健センターが出している保険などのフリーランス所得補償制度に加入するかどうか検討することも重要。
契約と売上次第では赤字になる場合がある
どのような契約をするかにより、売上が変わってきます。
契約・売上次第では赤字になるため、美容師の面貸しを利用して働く場合は注意が必要です。
歩合制の場合は売上の金額が少なくても支払いの額が固定ではないため、赤字になりにくい点がポイント。
固定での支払いは経費の管理を行いやすい反面、売上が不安定な場合は経費の支払いに苦労する可能性があります。
まとめ
美容師の面貸しは独立を視野に入れている方・時間を上手く活用したい方におすすめです。
働く前に十分な準備を行った上で契約することがトラブルを避けるポイント。
また、メリット・デメリットを踏まえ、目標・働き方を明確にする必要があります。
他の働き方もチェックし、自分に適した働き方を見つけることが美容師として活躍する上で重要になってきます。