エステサロンの開業準備は、施術内容やコンセプト、導入美顔器や料金設定など決めることや
考えることがたくさんあります。
特に間取りは、のちのち不便に感じても簡単には変更することが難しいため、
特に慎重に考えたいポイントです。
この記事では、間取りを決める際に注意すべき点や工夫すべきポイントについて解説していきます。
自宅でのエステ開業を考えている方に特に参考となる内容となっていますので、
ぜひ最後までおつきあいください。
エステサロンを開業する際は十分な広さが必要
一口にエステサロンといっても、テナントを借りる方もいれば、自宅をサロンとして使用する方もおり、
規模もさまざまです。
- 法人でテナントを借りて企業する場合、必要なのは6畳程度の施術室を数部屋、
カウンセリングルームや待合室などのスペース、トイレ、バックヤード、事務スペースなどになります。 - 個人経営で自宅をサロンとして使用する場合、施術室の広さの目安は6畳から10畳程度で、
カウンセリングルームや待合室を兼ねた作りにすることも可能です。また、自宅の一部をサロンとして使う場合は、使えるスペースや間取りにも
制限があるため効率や生活感を出さないためのコツが必要です。
エステサロンの間取りを考える上で意識しておきたい場所
エステサロンを運営するのに、施術室、カウンセリングルーム・待合室、バックヤード・事務スペース、
トイレなどが必要となります。
それぞれ、注意すべきポイントやこころがけるべきポイントについて説明していきます。”
施術室
お客様に施術をおこなう部屋で、一番こだわりたい空間です。
お店のコンセプトはしっかりと決め、リラックスできる空間づくりをこころがけましょう。
最低限以下のようなものが必要です。
・施術用ベッド・美顔器・消耗品や化粧品を置くワゴン・収納棚
狭すぎるとお客様に圧迫感を与えてしまいます。
また、施術をする際に美顔器を操作したり、ハンドマッサージをしたりとスタッフが
ベッドまわりで動くことを想定して、ある程度の余裕を持った作りが望ましいです。
カウンセリングルーム・待合室
お客様をはじめにお通しするスペースです。
予約が立て混んでいる際に待っていただいたり、カウンセリングシートの記入などをしてもらう
スペースになるため、ソファとテーブルが置ければ、広さはそれほどなくても問題ありません。
自宅サロンの場合は完全予約制になるため、施術室の一画にソファとテーブルを置いて、
施術室・カウンセリングルーム・待合室を兼ねた部屋にするのがよいでしょう。
その場合、施術後にお茶をお出しして寛いでもらったり、
メイクをしたりするのにも利用できます。
バックヤード・事務スペース
スタッフが事務作業をおこなったり、お客様のカルテや化粧品などの商材、
消耗品の在庫を保管するスペースです。
サロンのコンセプトや非日常感を大事にするためにも、裏方はできるだけお客様の目に
触れないよう設置しましょう。
日々の運営にまつわる作業をおこなうための机やパソコン、収納棚などが必要となります。
スタッフが休憩や食事をとるスペースも兼ねる場合は、寛ぐためのテーブルと椅子を用意しましょう。
また、お客様のカルテは個人情報を含むため保管場所には注意し、
特に自宅サロンの場合は同居する家族や他の人の目に触れないように注意が必要です。
トイレ
トイレや洗面台まわりは常に清潔をこころがけましょう。
エステサロンとしてのコンセプトや内装に気を使っていても、このスペースの清掃が
行き届いていないと清潔感が一気に損なわれてしまいます。
マンションの一室や、自宅サロンの場合は生活スペースと区切るのが難しいこともあるので、
特に注意が必要です。
お客様が一回使うごとに清掃、予約時間前の点検など、エステサロンのコンセプトや
非日常感を守るためにも徹底しておこないましょう。
エステサロンの間取りにおけるポイント
エステサロンの間取りを考える際には考慮すべき点が多々ありますが、以下を前提としておきましょう。
- 自宅サロンなど:スペースが限られるため最初にレイアウトをしっかりと考える。
- テナントなどを使用した法人経営:経営が軌道にのったあとの展望をしっかりと見据えて、
余裕のあるつくりにしておく。
それでは一つずつ見ていきましょう。
お客様の導線
自宅の一部をエステサロンとして使用する場合は、特にお客様の導線を考慮しなければなりません。
自宅エステは使えるスペースが限られてきますが、お客様が使用するスペースは生活空間とは
できるだけ分けられるよう、開業前にしっかりと不便のない導線を考えましょう。
導線のなかで自宅のキッチンやリビングなどの生活空間を通らずに済むよう、できるだけ、
玄関・入口から施術室やトイレが近くにあることが望ましいです。
お店のコンセプトや世界観を大事にするためにも、できるだけ生活空間とは区別する必要があります。
生活感を無くす
テナントなどを借りる場合は、サロンのコンセプトや内装などにこだわった造りにできるので
問題ありませんが、自宅でエステを開業する際に一番気を付けたいのが、
生活感をなくすことです。
お客様がエステに求めることは、綺麗になることはもちろんですが、リラックス感や
非日常感を味わいたいことも大きな要素です。
予約が入っている時間帯は同居する家族などに鉢合わせることのないよう、あらかじめ話をしておき、
配慮してもらいましょう。
使える空間が限られていて生活空間と区切ることが難しい場合は、
カーテンやパーテーションなどを活用しましょう。
プライバシーに配慮する
プライバシーの配慮はとても重要です。
特に同じ時間帯で複数のお客様に対応するような規模のサロンでは、配慮が必要です。
施術はできれば個室対応でおこなうことが望ましく、広い空間をパーテーションなどで区切って
使う場合でも、会話が筒抜けにならないよう気をつけましょう。
すべてを個室空間にする必要はありませんが、カウンセリング時や施術前後の着替えやメイクなどを
するスペースは、隣との席が近すぎないよう十分に余裕を持った配置にしましょう。
お客様はリラックスできる時間を求めて来ているため、他人の目や存在を極力気にしないで
済むようなつくりにしましょう。
コンセントの数・位置を意識する
コンセントの数や配置を考慮したレイアウトをおこないましょう。
特に施術室で美顔器を使用する場合は、コンセントの位置の確認や、ある程度のスペースを確保するなど、
ベッド周りは特に慎重にレイアウトを決める必要があります。
足もとに複数のコードがあると、引っかかったり転倒したりというリスクが起きやすくなります。
スムーズな施術ができるよう、あらかじめスタッフの導線をイメージしましょう。
また、自宅サロンの場合は、全体で必要とする電力に応じて、あらかじめ電力ブレーカーを
増設するなどの対応が必要になる場合もあります。
必要な設備は何か整理する
エステサロンを開業するにあたって、インテリアや家具なども大事ですが、
まずは優先的に必要とされる設備を洗い出しておきましょう。
- 施術に必要な美顔器などの機器
- 施術に必要なベッドなどの家具
- タオルや消耗品など
- 照明や空気清浄機など環境づくりに必要なもの
以上のようなものがあげられます。
施術に必要な機器や備品はエステサロン専用のものを選びましょう。スペースが限られる場合でも、コンパクトかつ複数機能を備えた美顔器や、折り畳み式の
施術ベッドを選択するなど工夫できます。施術に必要な設備を先にレイアウトに組み込んでおくことで基準の形ができるので、
家具や備品をあとから増やしたい時でも施術を邪魔しない導線を確保しやすくなります。
営業許可を取得できるかどうかチェックする
賃貸住宅など自宅の一部をエステサロンとして使用する場合、営業許可をとる必要があります。
戸建ての自宅やテナントなどでは必要ありませんが、賃貸マンションや分譲マンションの多くは
居住用で商業利用ができない契約になっています。
事前に管理会社や家主などに必ず確認し、必要に応じて許可を得ましょう。
また、契約形態やサロンの規模に関わらず開業届けも必要となります。
こちらは必須ではありませんが、継続的に運営をする前提であれば確定申告時などにメリットが
大きいため、しっかりと確認をしておきましょう。
建築基準法を満たしているかどうかチェックする
自宅をエステサロンとして利用して開業する場合、建築基準法に沿っているかを確認しておきましょう。
建築基準法で定められた”店舗併用住宅”の条件として、一番注意したいのが
用途地域の条件を満たしているかという点です。
住宅地などで地域の景観を損なわない、居住する人が安心して暮らせることに配慮した規制になります。
店舗部分の床面積や、建物全体を店舗部分が占める割合、業種の定め、など地域によって制限があるため、
事前の確認を怠らないようにしましょう。
まとめ
ここまで、エステサロンを開業する際に気をつけたい間取りについて解説してきました。
安定したサロン運営をしていくためにも、開業前にお客様の導線や機能面をしっかりと
考えておくことは必要です。
スタッフがスムーズかつ快適に施術できる環境を土台として、サロンのコンセプトやインテリアにこだわり、
お客様がリラックスできる空間を演出しましょう。