美容師として活躍している方のなかには、将来的にご自身で美容室を経営したいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、美容室を経営していくにあたって年収や経営スタイル、経費削減のポイントを解説していきます。美容師としてだけでなく、経営者としても成功するためにしっかり理解を深めましょう。
美容室の経営と美容室での勤務での年収を比較
美容室を経営するにあたり、年収面がどうなるか気になっている方も多いと思います。まずは、美容室をご自身で経営した場合の年収の平均額を紹介します。
美容室に勤務している場合との年収面での差についても解説していますので参考にしてください。
美容室経営で想定できる年収はおよそ390万〜455万円
美容室を経営した場合の年収は、平均で390万円〜455万円と言われています。経営しているサロンの規模や立地によっても差がありますが、平均すると日本のサラリーマンの平均年収と同程度です。
そこまで高いわけではありませんが、サロン勤務に比べると平均年収は上がりますし、なかには成功して年収1,000万円を超えている方もいらっしゃいます。
美容室の経営コストは年商の30〜40%と言われており、経営コストを抑えることで年収アップにもつながります。
美容室勤務のアシスタントの年収は平均200万円弱
美容室では美容学校卒業後、アシスタント業務からキャリアがスタートするのが一般的です。アシスタント期間の平均年収は200万円弱といわれています。
この期間は、スタイリストとして活躍する先輩美容師のサポートや店内の細かな雑務などがメインのお仕事となり、指名料などのインセンティブが発生しないため、金額だけ見るとかなり低くなっています。
金額面だけみると残念に感じるかもしれませんが、この期間は美容師として基礎や接客の基本を身につけることが大切です。
美容室勤務のスタイリストの年収は平均350万円
アシスタント期間を経て、無事にスタイリストとしてデビューするとそれに伴って年収もアップします。スタイリストとしてデビューした後の平均年収は350万円程度です。
スタイリストになると、固定給が上がるだけでなく指名によるインセンティブなどにより年収が上がります。指名してくれるお客様が多ければ多いほど、年収アップが期待できるのがポイントです。
美容室によっては、スタイリストのなかでもランクがありそのランク次第で年収に差が出ることもあります。
美容室の経営にあたっての独立形態を紹介
独立して美容室を開業するにあたっては、どのような形態で開業するかによって働き方や年収にも差があります。ここからは美容室の開業形態を3つ紹介します。
それぞれの特徴をしっかり把握し、最適な開業方法を見つけましょう。
1人美容室経営
最初に紹介するのが1人で美容室を経営していく方法です。この場合、予約の受付から施術、お会計といった接客だけでなく、開店準備や清掃業務などの雑務もすべて1人で行う必要があります。
ご自身で売り上げた分のうち、経営コストを差し引いたものが全て収入になるのがメリットです。
ただし、1人で全ての業務をこなすため負担も大きく、1日に施術できる人数も少ないので売上として見込める額は少なく、平均年収は300万円〜350万円ほどといわれています。
夫婦経営
次に紹介するのが夫婦で美容室を経営する方法です。実際、日本にはご夫婦で経営されている美容室がたくさんあります。夫婦経営の美容室の場合、ひとりで経営した場合に比べて施術できる人数は倍になります。
また、片方に美容師資格がない場合でも管理業務や雑務を分担できるため、サロンとしての回転率は上がり、その分売上アップにつなげることができます。
夫婦経営の場合は節税効果もありますので、世帯年収のアップにもつながります。
複数店舗経営
独立開業後、ひとつめの店舗の経営が軌道に乗ったあと、複数店舗を展開する経営者の方もいらっしゃいます。複数店舗経営している場合、雇用しているスタッフの人数も増えるのでその分売り上げはアップするため、年収アップも期待できます。
しかし、その一方で店舗の管理にかかる経営コストや人件費等も店舗の数だけ増えていくのが注意点です。複数店舗を経営するにあたっては、美容師としての技術力だけでなく、経営者としてのスキルも必要になります。
美容室の経営で経費を削減するポイント
先ほど、美容室を経営していくうえで経費を削減することで、年収のアップにつながりやすくなると説明しました。ここからは、経費を削減するポイントを紹介します。
経費を上手に削減するためのポイントをしっかり抑えておきましょう。
固定費を減らすために業務委託する
美容室を経営していくうえで、固定費を削減することは大きな経費削減につながります。毎月発生する固定費のなかでとくに大きな割合を占めているのが人件費です。
スタッフを雇用する必要がある場合、フリーランスで活躍する美容師に業務を委託するという方法があります。この場合、給料は固定給ではなく売上に応じて何割かを対価として支払います。
また、正社員ではないので社会保険料等の負担も減るため、結果的に人件費や経費の削減につながります。
適切な人数のスタッフを確保する
人件費を削減し経費を抑えるためには、適切な人数でサロンをまわすことが大切です。曜日や時間帯ごとのお客様の平均来店者数や時期によるお客様の利用傾向をしっかり把握・分析し、それに合わせた適切な人員配置を行いましょう。
その結果、人件費の無駄が減り経費の削減につながります。勤務しているスタッフが多ければ、施術できる人数も増えるので売上アップも期待できます。
しかし、その分人件費が発生するので経費とのバランスを考えることがポイントです。
まとめ
今回の記事では、美容室経営者の年収や経費削減のポイントについて説明しました。開業後、年収アップにつなげるためには経費削減も重要なポイントです。
また、独立開業の方法は複数あり、どれもメリットやデメリットがあります。長く安定した経営を続けるにはご自身に合った方法で開業することが大切です。
今回紹介したポイントをしっかり抑え、美容室経営を成功させましょう。