近年、勤務しているサロンから独立して開業する方や異業種から参入してサロンを開業する方が多いです。
この記事では、スムーズに開業準備を進めることができるよう、サロンの開業にあたり必要なものや資金についてだけでなく、届け出や活用できる助成金についても解説しています。
やることをしっかり把握し、ひとつひとつ着実に開業準備を進めていきましょう。
サロンの開業に必要なもの
はじめに、サロンを開業するにあたって準備が必要なものを紹介していきます。サロン開業時には揃えるべき備品類がとても多いです。
準備すべきものをいくつかのカテゴリに分けて紹介しますので、ぜひ開業準備の参考にしてください。
大型備品
最初に紹介する必要なものは、サロンで利用する大型備品です。サロンを開業するにあたっては施術に必要なベッドや機器類をはじめ、衛生用品や備品を保管するためのワゴンや什器などを揃える必要があります。
ロッカーや待合スペース用の家具といったお客様が利用するものだけでなく、スタッフルーム用の机や家電なども準備が必要です。
大型備品は設置場所の問題もあるため、サイズや置く場所をしっかりイメージした上で準備することをおすすめします。
消耗品
サロンで使用する消耗品は細々としたものが多いため、きちんとリストアップして準備を進めることが大切です。
リネン類や衛星用品といった、どのようなサロンでも共通して必要になる消耗品だけでなく、施術内容次第では美容機器ごとに専用の消耗品がある場合も。
ご自身のサロンで取り扱うメニューには、どのような消耗品がどれほど必要なのかを確認した上で、不足のないように準備を進めましょう。開業後は定期購入を利用するのもおすすめです。
掃除用備品
サロンの衛生状態をキープするために、清掃道具も開業前に揃えておきましょう。清掃用の掃除機やモップ、雑巾、洗剤といった基本的な掃除道具はもちろん、お客様が利用される水回り用のブラシなどの掃除用品の準備も必要です。
購入する美容機器によっては専用の洗剤やお手入れ用品の準備が必要な場合もあります。サロン内の掃除の衛生状態はお客様の満足度を左右しますので、使い勝手の良い道具でこまめに掃除することがポイントです。
施術に必要な備品
サロンを経営していく上で、施術用の備品の準備は欠かすことができません。
施術用クリームやジェルといったもの以外にも、ボウルやハケ、スパチュラ、ピンセットなどメニューごとに必要な細々とした備品、コットンやガーゼ、タオルといった衛生用品など非常に多くのものが必要になります。
施術メニューに必要な備品は漏れのないよう準備を進めましょう。また、施術用備品は色々な場所からバラバラに仕入れるよりもまとめて仕入れることをおすすめします。
店内の装飾
サロンをオープンする際には店内の装飾も大切です。何もないと殺風景になってしまうので、開業するまでに必要最低限の装飾品を準備する必要があります。
インテリア用品や植物、壁にかける写真や絵画など、サロンのコンセプトにあった装飾品で店内を装飾するのがおすすめです。また、サロンをより心地よい空間にするためのBGMも準備しておくと良いかもしれません。
開業祝いにいただいたお花なども飾ると華やかな印象を演出することができます。
サロンの開業に必要な資金
サロンを開業するにあたって、どのような資金が必要なのか気になっている方も多いと思います。ここからはサロンを開業する際に必要な資金について解説します。
項目ごとに予算をしっかり立て、入念な資金計画を立てましょう。
物件費用
最初に紹介するのは物件にかかる費用です。サロンの開業スタイルはいくつかあり、マンションやアパートなど共同住宅の一室やテナントを借りて開業する場合は、物件を取得する費用が発生します。
自宅でサロンを開業する場合には取得費用は発生しませんが、賃貸物件を契約して開業する場合、物件取得費用だけで約100万円前後の予算が必要になります。
また、取得費用以外に物件にかかる費用として内装工事費用もあります。
機器・備品・消耗品費用
サロンの開業に必要なものの項目で紹介した、備品類を用意するための費用も必要です。取り扱うメニュー次第で機器の導入にかかる金額も変動しますし、サロンの規模によっても必要となる開業資金の額にも差があります。
大型備品や美容機器を開業時にすべて購入するとなると、かなり高額な予算と資金が必要になるため、リース契約を利用するのもおすすめです。
消耗品類に関しても一括購入や定期購入契約をすれば割引になることもあります。
広告宣伝費用
サロン開業時には、集客のための広告宣伝費も大切な初期費用です。この費用には、チラシやDMを作成する費用やホームページの作成と運用、ネット広告や集客用ポータルサイトへの掲載料金などが含まれています。
開業時のコストを抑えるためには、SNSやブログなど無料の集客ツールも上手に活用することがポイントです。広告宣伝費用は、サロンをオープンした後も集客を維持するために欠かすことのできない費用です。
サロンのターゲットや規模にあった方法を選択しましょう。
サロン開業に必要な届け出は?
次に、サロンを開業するにあたって必要な届出について紹介します。届出が遅れてしまうと、のちに問題になる可能性もありますので確実に提出するようにしましょう。
ご自身のサロンではどのような届出が必要なのか事前に把握することが大切です。
開業届
サロンを開業する際には「開業届出書(開業届)」の提出が必要です。これは、サロンを管轄する最寄りの税務署に提出する書類で、税に関わる届出ですので早めに提出しなくてはなりません。
開業後1ヶ月以内に提出することが推奨されています。また、個人事業主として開業する場合、開業届の提出と併せて青色申告承認申請手続きをすることをオススメします。
家族を従業員として雇用する場合は、青色事業専従者給与に関する届出書も忘れずに提出しましょう。
保健所への届出
サロンを開業するにあたり、提供するサービスの内容によっては保健所へ「開設届」という届出が必要な場合があります。
国家資格を保有するスタッフが施術を行う場合や、首から上の施術を行う場合です。このような場合には保健所が必要とする書類を提出し、サロン内の設備や衛生環境が国の定める基準を満たしていなければ開業ができません。
準備すべき書類も多く、基準が細かいため開業をする場所が決まったら、早めに管轄の保健所に相談することをおすすめします。
サロン開業に使える助成金
開業資金を用意する方法としては、貯蓄や融資以外に、国や自治体が実施している助成金制度を活用するという方法もあります。
ここからは、開業時に活用できる助成金制度について紹介します。ぜひ参考にしてください。
人材開発支援助成金
最初に、厚生労働省が実施する人材開発支援助成金を紹介します。この制度は、従業員の人材育成を促進する事業主に対して支給される助成金です。
従業員の研修にかかった費用や研修期間中の賃金の一部を受給できる制度になっています。コースが複数用意されており、受給条件もコースごとに異なります。
利用する場合には、ご自身のサロンではどのコースが適用になるのか、厚生労働省のホームページで確認してから申請をすることが大切です。
地域雇用開発助成金
次に紹介するのが地域雇用開発助成金です。こちらの助成金も厚生労働省が実施しています。求人の少ない地域などで新たに開業する場合、その地域で暮らす方を雇用する場合に受給することができる制度です。
受給可能額は設備や雇用人数によってちがい、新たに創業する際は支給額の上乗せや件を満たしていれば1年ごとに3回まで受け取れるのも特徴です。
開業する際は、この制度が利用できる地域で開業するのも良いかもしれません。
自治体独自の助成金
先ほど紹介した、国が実施している助成金制度以外に、地方自治体が独自で助成金制度を実施している場合もあります。
自治体により用意されている制度は異なりますが、その地域での新規創業時のスタートアップ支援や設備投資などに関して助成金制度を実施している場合が多いです。
助成金だけでなく補助金が出る場合もあります。ご自身がお住まいの自治体や開業する地域の自治体のホームページで確認し、積極的に活用することをおすすめします。
まとめ
サロンを開業するにあたって、必要なものややるべきことを紹介しました。
この記事で紹介したこと以外にも、開業にあたり近隣の店舗やお住まいの方への挨拶状の送付など、サロンの開店に直接関わること以外にもやるべきことがたくさんあります。
準備はとても大変ですが、サロンを成功させるためにはとても大切なプロセスです。開業までにやるべきことをリストアップし、計画的に準備を進めましょう。