エステサロンにおいて重要なリピート率。リピーターを確保することは、サロンの利益率アップにつながります。また、新規集客の手間が減り、広告費などの削減も期待できます。
今回はそんなリピート率について、増えない原因とリピート率アップの方法について詳しく解説します。自分のサロンのリピート率を計算してみてくださいね。
エステサロンの新規のリピート率はどのくらい?
平均的なエステサロンの新規のリピート率をご存じですか?施術内容や顧客のニーズ、サービスの質などによって異なりますが、平均値を紹介します。
【3か月】17% 【6か月】21% (ホットペッパービューティーより 2022年)
3か月と6か月で値が変わるのは、3か月以上6か月未満ごとに再来店する人も多いため少し数値が上がっています。もちろん30%であったり、80%のリピート率のサロンもあります。
個人エステサロンの理想のリピート率
個人エステサロンの理想的なリピート率は、地域や規模によって変わりますが70%~80%といわれています。リピート率が高いほど、お客様からの信頼度や満足度が高いということになり、サロンにとってかなりの強みになります。
ただし、リピート率が高ければ高いほど、売り上げをリピーターに頼っているということにもなります。顧客が離れたときに売り上げも急激に減る可能性があるので、新規顧客とのバランスに注意が必要です。
リピート率を計算してみよう
リピート率は集客した顧客のうち、再来店した顧客の割合のことです。計算式は、再来店した顧客数÷累計新規顧客数×100=リピート率です。
リピート率が高いほど1回きりの顧客が少ないということになります。この計算式では、開業後年月が経つほどリピート率が下がっていきますので、別の計算方法を使用する必要があります。
直近のリピーター率の計算式は、1か月のリピート客÷1か月の累計顧客数×100=直近1か月のリピーター率です。
リピート率が増えない時に考えられる原因
リピート率がなかなか増えない時は、何かしらの原因があると考えられます。さまざまな要因がありますが、今回は6つの原因について解説します。
自分のサロンで当てはまることがあれば改善したほうがよいでしょう。
現状と理想のリピート率を把握していない
現状と理想のリピート率を把握せずに営業していることです。冒頭でもお話しした通り、リピート率というのは利益率につながります。つまり、結果として店の売り上げに大きく関わり、今後の存続にも影響します。
自分のサロンのリピート率を毎月把握し、動向をチェックすることが大切です。また、メニューごとのリピート率も算出しておくとよいでしょう。どのメニューがリピートされていないかを知ることができるので、改善点も見つけやすくなります。
予約のシステムが不十分
予約が取りづらい、キャンセルするには電話するしかないとなると面倒くさいですよね。誰もが予約システムが充実した店舗に行きたくなると思います。リピート率が高いサロンは予約が取りやすい傾向にあります。
特に10代20代の女性はネット予約を使用する人が多いので、予約システムは見直した方が良いでしょう。キャンセルも気軽にできることが望まれています。
サロンのホームページから予約やキャンセル、空き状況のチェックもできるとよいです。
お客様とのコミュニケーション、満足度が不足している
お客様は満足のいく結果を求めてサロンを利用します。満足度が低いと別のお店を探して、リピートしないことが多いです。その中でもコミュニケーションは非常に重要で、ただ単に話を聞いて楽しく過ごすだけではいけません。
お客様との会話の中からニーズを把握し、サービス内容の見直しをしたり個別の対応方法を見出したりすることが必要です。要望や不満も真摯に受け止め、誠実に対応し信頼関係を築くことができれば、リピート率もおのずと向上するでしょう。
サロンの魅力や付加価値が伝わっていない
サロンを利用して十分な結果が得られることはもちろん、他の付加価値が感じられるかが重要です。
- 日常を忘れてリラックスできる
- 接客がどのサロンよりも丁寧
- 自分だけのプランを提供してくれる
などがあります。そして、その付加価値はサロンの強みになり、他店との差別化にもなるはずです。付加価値は、お客様がサロンを利用してどのように思われたいかを考えて決めていきます。
また、お客様にきちんと伝わっているか定期的に確認することも大切です。
ターゲットが間違っている
なかなかリピート率が上がらないのはターゲット設定が曖昧だったり、ズレが生じている可能性が高いです。
例えば
- 仕事帰りの人が多い地域なのに夕方早くに閉店する
- 30代40代がターゲットなのに内装が若者向きで入りづらい
などがあります。1度来店してもまた来ようとは思えずに離れてしまったり、初めてでも入ろうと思えないことが多いです。その地域や年代などの特徴を細かくリサーチし、ターゲットを明確に設定する必要があります。
新規価格が安すぎる
皆さんお分かりだと思いますが、初めてがとても安いということは次回からとても高くなるということです。初回の安さだけで来店する人は2回目に来ない傾向があります。
初回は適切な割引率にしてサロンの良さや効果を実感してもらい、2回目以降の値段でも通ってもらえるようにするとよいでしょう。
次章でも解説しますが2回目以降に使えるクーポンなどをお渡しして、差額を感じさせないような工夫をするという方法もあります。
リピート率を上げるためにできること
これまでリピート率が上がらない要因について解説しましたが、ではリピート率を上げるためにできることとは何でしょうか。今からでも取り組める5つの工夫について紹介します。
リピート率で悩んでいる方は実践してみてください。
次回予約ができるように予約システムを整える
リピート率が上がらない要因として、予約システムの不十分さについてお話ししました。反対に、予約システムをきちんと整えることで、徐々にリピート率は上がってきます。
- 24時間いつでも予約ができる
- 変更やキャンセルが簡単にできる
- リアルタイムな予約状況の確認ができる
以上のような予約システムがあると、お客様は来店しやすくなります。今は医療機関やホテル、レストランでもこういった予約システムがありますので、サロンでも導入した方が良いでしょう。
接客スキルを上げてカウンセリングの密度を濃くする
コミュニケーションが大切と説明しましたが、その中でもカウンセリングの密度を濃くすることが満足度アップにつながります。そのためには接客スキルを上げることが必要です。
- 良い姿勢で聞く
- ハキハキと明確に話す
- 表情に気を付ける
- 適切なタイミングで質問、返答をする
など、どれも基本的な接客技術ですが、少し気を付けるだけで印象はグッと良くなります。また、サービスの知識を向上させ、解決策や適切なアドバイスができると更に信頼されるでしょう。
クーポンや会員カードを作る
継続的な利用を促す方法として、クーポンや会員制度を作る方法があります。会員価格でお得に利用できたり、定期的にクーポンの割引があったりすることで、利用してみようという心理を掻き立てます。
会員カードで、来店ごとにポイント付与をしていく方法も継続利用につながるでしょう。また、会員制度はお客様の来店のタイミングや頻度を知ることにも役立ちます。
上手く活用してお客様の動向をマーケティングし、リピート率アップにつなげましょう。
SNSを利用して集客する
SNSは無料で利用できる上に、情報が拡散されやすくたくさんの人にサロンを知ってもらう良いツールです。どんな年代の人がどんなサロンに通っているのかなど調べられるので、マーケティングにも使えます。
顧客の興味を引くような情報やキャンペーンなどを打ち出して広めてもらいましょう。ただし、あまりにも宣伝色が強いと敬遠されてしまうので、サロンの様子を載せたりためになる情報などを織り交ぜながら投稿するとよいでしょう。
物販・機器・サービスにこだわる
物販があることで、無くなったらまた購入しに来るというように、定期的な来店のきっかけになります。最新の機器やサービスは目新しいものを好む顧客に効果があります。
サロンを利用する人は美容への関心が高く、常に新しい情報をチェックする傾向にあります。最新の機器やサービスにこだわることはお客様の好奇心や興味を掻き立て、来店したいと思わせることができます。
また他店との差別化にもなり、サロンの強みにもなるでしょう。
まとめ
今回はサロンのリピート率について、増えない原因や向上のためにできる対策などをお話ししました。リピート率を上げる工夫はたくさんあります。
自分のサロンを丁寧に分析して、できることから1つずつ取り組むことが大切です。新規のお客様が常連になってくれるような、愛されるサロン作りをしていきましょう。