美容室を経営するには、美容師としての技術を磨くだけでなく、正しい経営戦略を学ばなくてはなりません。
この記事では、美容室を経営していく上で外せない経営戦略や成功例、また、失敗しやすいポイントを詳しく解説していきます。
「美容室を経営したいけど、何から始めていいかわからない。」
そう悩むあなたも、これを読めば美容室経営に自信が持てますよ。
美容室の経営戦略のポイント5選!
コンビニのおよそ5倍の店舗数がある美容室。
その競争の厳しさを生き抜いていくためには、正しい美容室経営の戦略を知る必要があります。
これから紹介する5つのポイントを知って、正しい経営戦略を身につけましょう。
顧客のニーズにあったターゲットを決める
競争が厳しい美容業界で生き残っていくためには、顧客ターゲットを考え、そのターゲットにあった経営戦略を立てなければなりません。
経営する美容室の周辺地域には、どのような人がいるのか。
年齢や性別、世帯の年収などによってニーズの違いが表れてきます。
例えば、住宅街ではファミリーが多く、ビジネス街ではサラリーマンが多いですよね。
このように地域の特徴を分析し、顧客のニーズにあったターゲットを決めることが、美容室経営では大切です。
ターゲットに合わせた集客方法を実行する
それでは実際に、ターゲットに合わせた集客方法を紹介します。
主婦をターゲットにするなら、家族で利用しやすいよう価格はリーズナブルに。
子供にお菓子をサービスしたり、子供の満足度も重要です。
20代の女性がターゲットなら、SNS集客に力を入れてみましょう。
流行に敏感な若い世代は、おしゃれな美容室や可愛いヘアスタイルをSNSで見つけることが得意です。
このようにターゲットを決めることで、経営戦略を立てやすくなります。
サービスの質を高く維持する仕組み
美容室の経営で大切なのは、常にサービスの質を高く保ち、顧客の満足度を維持することです。
美容室では施術の技術は勿論、丁寧な接客や顧客に合わせたコミュニケーションが満足度を左右します。
中には初対面での会話が苦手な人もいます。
その人に合わせたコミュニケーションが取れるよう、雰囲気を読む力も大切です。
サービスの質を確認するために、施術後のアンケートを実施すると良いでしょう。
今後の戦略にも活かせるためオススメです。
リピーターを増やす施策の実行
リピーターを増やすためには、まずリピートしてくれない理由を考えます。
接客、サービスは十分だったか、価格は適正だったか。
店舗のターゲットと実際に来店した顧客がマッチしないと、ニーズが合わず不満を感じやすくなります。
ターゲットを明確にした戦略を練りましょう。
また、次回予約のご案内やダイレクトメールで忘れられないような工夫も必要。
リピートしてもらえる美容室を経営するためには、アフターフォローも大切です。
資金繰りの管理を徹底する
資金繰りに苦労しないためには、美容室経営にかかる費用を正確に算出することから始まります。
家賃や光熱費、備品費、広告を出すなら広告費もかかります。
こうしたランニングコストを正確に把握し、売り上げの目標を立てます。
薬剤を作りすぎないなど、材料費の無駄を省くことも大切です。
また、売り上げを上げるためにオススメなのが、シャンプーなどの店販商品。
種類を増やすよりも、ターゲットに合わせた商品を採用しましょう。
美容室の経営戦略で失敗しやすいポイント
美容室経営で特につまずきやすい、
- 資金繰り
- 店舗展開時
- マネジメントの知識不足
こちらについて詳しく解説していきます。
独立を考えている人や、店舗を立ち上げたばかりの人は、つまずきやすいポイントを知って今後の経営戦略に活かしましょう。
資金繰りがうまくいかない
資金繰りでつまずく原因に上げられるのが、経営者の知識不足。
売上ばかりに気を取られ、経費や開業資金の返済などの支出の把握ができていないと危険です。
開業前から経営についての勉強をスタートしておきましょう。
また、開業時にお金を掛けすぎて、運転資金が少ないという美容室もあります。
そうなると病気で休んだり、機器が故障したりと想定外の支出に首が回らなくなってしまいます。
固定費の6か月ほどを運転資金として用意しておくと安心です。
店舗展開時につまずく
美容室経営でよくある失敗が店舗の展開時です。
独立して美容室を開くとなると、どうしてもこだわってしまうのが外装や内装。
理想を追い求めすぎて、顧客のニーズよりも自分の満足を優先してしまいがちです。
結果として、宣伝やサービスに充てる資金が不足し、売り上げを伸ばせず立ち行かなくなります。
美容室経営はお店が完成してからがスタートです。
最初からこだわりすぎずに、展開時にもしっかりと戦略を立てましょう。
マネジメントができずにつまずく
技術力があって顧客人気もあるからといって、美容室経営が上手くいくわけではありません。
ホームページやSNS運用、スタッフがいるのなら教育や育成など、こういったマネジメントができていないと経営が立ち行かなくなります。
例えば「集客のためにSNSを始めたけれど誰も見てくれない」というのもSNSの仕組みを理解していないためです。
美容室経営を成功させるために戦略を立てても、マネジメントが上手くできないと中途半端な戦略になってしまいます。
美容室の経営戦略の成功事例3選!
ここからは実際の美容室を例に、成功に導いた経営戦略を3つ紹介します。
SNSを使った集客、ターゲットに合わせた経営戦略、他店との差別化など、それぞれの美容室に合わせた戦略を取ることで集客に繋がっています。
1.SNS集客による経営戦略
若い世代をターゲットにした美容室の成功例です。
トレンドスタイルをリーズナブルな価格で提供していましたが客足が伸びず。
ホームページを開設するも、訪問者も少なく宣伝効果はいまいちでした。
そこで、Instagramを活用し、店内の様子やヘアスタイルを紹介。
今では簡単なヘアアレンジを解説する動画が人気で、若い世代の集客に成功しています。
SNS集客という経営戦略は、流行に敏感な若い世代の心をしっかりとつかみました。
2.ニュースレターによる経営戦略
大人の女性をターゲットにした、落ち着いた雰囲気の美容室。
髪に優しい薬剤や機器にこだわり、他店との差別化をはかります。
この美容室では顧客にニュースレターを配布しています。
使った薬剤や機器の説明、自宅でのケア方法を掲載。
シャンプーの選び方や、髪のいたわり方など、大人の女性に嬉しい豆知識が毎月知れるのも人気の秘訣です。
ニュースレターは、ついつい隙間時間に見てしまうもの。
大人の女性をターゲットにした経営戦略の成功例です。
3.ターゲットを明確にした経営戦略
「これくらいの年齢で大体こういう感じの人」と、何となくぼんやりとターゲットを決め、集客していた美容室のお話です。
SNSを活用し、技術や店舗の紹介をしていましたが集客はいまいち。
そこで、経営方針を顧客の悩みを解決することに特化した美容室へと一新しました。
こんな悩みが解決できる、こんな悩みの人に来てほしいと、ターゲットを明確にした情報発信をすることで集客に成功しました。
思い切って戦略の方向転換をしたことが成功に導いた一例です。
まとめ
これまで経営戦略、失敗ポイント、成功例とお伝えしてきました。
数が多く、生き残りが厳しい美容業界。
技術だけでなく、経営の知識、マネジメント力、学ぶことは多岐にわたります。
この記事を読んでくださった美容師の皆さまは、もう学ぶことがわかっているはず。
正しい経営戦略を身に着け、お客様に必要とされる美容室を目指しましょうね。