これから、美容院に勤めたい、美容院を経営したい、独立したい。
という方の為に、実際にかかる金額や利益率をお伝えしていきます。
利益率というのは、顧客から貰った代金からシャンプー等の消耗品、美容院の光熱費等を引いた
最終的に残った金額の割合のことをいいます。
これから説明する事は一般的な美容院の利益率になります。
美容院の適正な利益率はどのくらい?
美容院を経営する上で利益率の計算は必ず必要になります。
例えば、売り上げが1,000円だった場合
総売り上げ1,000円-原価100円=売り上げ総利益900円
売り上げ総利益900円÷総売り上げ1,000円×100=売り上げ総利益率90%
となります。
全国の美容院の平均的な利益率
さきほど簡単に利益率を計算しましたが、
全国での平均的な美容院の利益率は12~16%が目安となっています。
店舗によっても違うので一概には言えません(※厚生労働省参照)
もしもあなたが美容院で6,000円支払ったとして、そこから利益になるのは
12%として720円となります。
少ない!と思うかもしれませんが、全国の平均値なので知っておいても良いでしょう。
美容院の適正な利益率は7%〜10%
さきほどより少ないと思うかもしれませんが、こちらは売り上げに対して人件費や材料費、
広告費、家賃、光熱費等を引いたものになり、手元に実際に残る金額になります。
7~10%ほど出している美容院は経営が順調といえます。
人件費については、経験が浅いスタイリストでも給料は発生する為、純粋な利益が下がってしまいます。
始めて間もない頃は売り上げだけを見がちですが、売上が200万円あったとしてもお店に残るのは
14万円という計算になります。
しっかりと利益率を計算して運営しましょう。
美容院の利益率を上げるためには
ここで利益率を上げるにはどうすれば良いか。
経費を削減するか、もしくはメニューの価格を上げるかのどちらかになります。
それとも物販の販売に重点を置くのか。
もっと深掘りして考えていきましょう。
経費の見直しが最優先
一番良いのは経費削減だと考えがちです。
手元に利益が残らなければ、顧客が沢山来ようと利益率が悪ければ何もなりません。
家賃以外の消耗品などの経費を見直してみましょう。
シャンプーにしても全部使い切ってしまうのにどれくらい必要であるか、細かい所にも
目を向けてみてください。
経費削減だけが売り上げに繋がるわけではありませんが、必要最低限のコストを抑えるために
細部に渡って計算する必要があります。
利益率の高いメニューを積極的に提案する
メニューには色々とありますが、あえてメニューを少なくしてみるのも方法のひとつです。
顧客は安いメニューがあるとそれを頼みがちです。
安いメニューにはクレーマーがつきやすいという事実もあります。
セット料金にするなどの工夫をすれば、顧客もメニューを選びやすいでしょう。
シャンプーなどの物販もおすすめ
カットが終わるとシャンプーやトリートメント、中には洗顔もセット内容に含んでいる美容院もあります。
施術しながら、香り、髪の質感、ダメージについての説明をするなど、購買意欲を掻き立てるように話しかけてみましょう。
実際にテクスチャや香りをテスターで試してもらえば、シャンプーと洗顔料もセットで気に入って貰えることも
あるかもしれません。
個人経営の美容院でも利益率を上げることはできるの?
個人経営の美容院では実際の年収は300万~400万と言われています。
サラリーマンの平均収入と同じぐらいですね。
利益率を上げるには、リピーターを作ったり次回予約を取りつけましょう。
フルセットの高額メニューで勝負するのもありです。
顧客を短時間で回す事だけを考えず、リラックスして落ち着ける空間にしてあげるなど
サロン内の雰囲気にも気を遣いましょう。
削減しやすい経費3選を紹介
美容院を経営する上で経費を削減する事は必須です。
売上から使用しただけで勝手に引かれるものなので常に把握しておきましょう。
光熱費
一番使用する水道や照明等、普段家で生活している分と変わらないものです。
これらのコストをできるだけ削減しましょう。
夏や冬にはエアコンを使用する事も考えて、コストカットを目指しましょう。
コストカットが出来ればスタッフの給料も安定しますし、スタッフからの信用にもつながります。
スタッフの頑張りが顧客の信頼にもなり、リピートにも繋がりますのでより良いお店にしていきましょう。
広告費
広告費はレビューサイトだけにしておきましょう。
レビューを書かれたら返信を心がけるのはもちろん、Facebook、Instagram、Twitter、TikTok
等のSNSを利用して宣伝しましょう。
現在はお金をかけなくても勝手に広告塔になってくれるSNSのシステムもありますので、
効果的に利用するのも工夫のひとつです。
消耗品費
消耗品といえば、ハサミ、シャンプーやトリートメント、髪に使用する薬剤等が思い浮かびますが、
実際は椅子や照明、シャンプー台これらも消耗品になります。
他にもヘアスタイルを変えるために使用されるウィッグやエクステンション、カラー剤を混ぜるボウルや
ブラシ、ケープなど、美容院には消耗品がたくさんあります。
シャンプーやコンディショナーなどの液体製品は、過剰に使わず量を守ったり
使用済みのカラーボウルやブラシは適切に洗浄し、再利用することで消耗品の使用量を減らせるでしょう。
まとめ
美容院を経営する上で注意して欲しいことは、経費の削減、フルセットでのメニュー販売
顧客がリラックスできる空間作り、そしてリピーターを増やすことです。
広告で割引を謳う美容院よりもより良い環境の中でリピーターを作ってこそ、売り上げが安定します。
売り上げが下がってしまった時は、広告を広げたり割引するのではなく、スタッフの接客の問題や
空間作り、消耗品の節約を意識してみてください。