「自分のサロンを持ちたい。」
美容業界で働く方のなかにはそんな目標もお持ちの方も多いのではないでしょうか。
個人サロン開業後にとても大切なのが売上。
しかし、街には個人サロンも多く、売上アップやサロンの生き残り競争がとても激しいのが現状です。
この記事ではそんな厳しい業界においても安定した経営をしていくためにひとつの目標となる、各種個人サロン業界における平均売上や売上アップのポイントについてご紹介します。
個人サロンの平均売上はどのくらい?
個人サロン業界全体における平均売上は1ヶ月で約150万円ほどであるといわれています。
もちろん、経営しているサロンの業種やお店の規模や立地のよって集客率等によって差はあります。
しかし、売上がすべて収益になるわけではありません。
サロンの賃貸費用や光熱費、施術にかかる材料費、集客費用といった営業コストが必要になります。
少なくとも月約100万円程度の売上がないと、安定した経営を続けることは難しいかもしれません。
業種別個人サロンの平均売上と計算方式
個人サロンを経営していく上で、売上管理は経営を左右する重要なポイントです。
「どのように売上目標を立てるべきかわからない。」
という個人サロンを経営に携わるすべて方にとって経営課題解決や売上目標管理のひとつの指標になるよう、ここからは、業種別の個人サロンの平均売上や売上の計算方式についてご説明します。
エステサロン
1か月の個人エステサロンの平均売上は約150万円であるといわれています。
個人エステサロン経営においては施術料金と物販による売上が主な収入源となっています。
エステサロンの施術料金における売上の計算方法は
・客単価×1日の施術人数×1か月の営業日数
で計算し、この売上から営業コストをマイナスしたものが収益となります。
エステサロンではコースや部位によって客単価や施術かかる時間が変動しやすいため、いかに効率の良く、コストパフォーマンスの高い施術をするかで売上が変動します。
エステサロンでは美容機器の導入や維持費などが高額な場合が多いので、しっかり収益を上げられるような料金体系を設定することが必要です。
ネイルサロン
個人ネイルサロンにおける平均売上もエステサロン同様に客単価×1日の施術人数×1か月の営業日数で計算します。
個人ネイルサロンの場合、価格設定にもよりますが、ネイリストさんひとりの平均の1か月の売上は約40万円〜50万円といわれています。
また、エステと比べると高額なクリームや美容機器を使用することも少なく、材料も一度に多量に消費することもないので、同じような条件であってもエステに比べ、価格設定次第では収益率アップも見込めます。
マツエクサロン
売上の基本となる計算式「客単価×1日の施術人数×1か月の営業日数」というのはマツエクサロンにおける売上計算でも同様です。
個人マツエクサロンの平均的な施術料金による月間売上は約60万円。
そこからグルーやエクステ材料代などのコストを差し引いた額が収益となります。
美容室
厚生労働省のデータによると、美容室での平均客単価は6,000円。
1日あたりの施術人数は平日で10人、土日の場合は約14人となっています。
これを売上の基本となる計算式「客単価×1日の施術人数×1か月の営業日数」に当てはめて計算すると約170万円となります。
しかし、これはあくまでも日本の美容院業界全体の平均なので、個人サロンとなると、施術できる人数が減少するため、平均売り上げも減少します。
美容室の場合、カラーの施術の待ち時間の間にカットのみのお客様を施術するなど、効率よく施術を行うことで売り上げアップにつながりやすいです。
雇われと個人サロンどっちが稼げる?
美容資格を持つ人の中には憧れる方が多い独立。
独立してご自分のサロンを経営するのと、いわゆる会社員のように大きなお店のスタッフのひとりとして活躍するのはどちらが稼げるのでしょうか。
ここからは雇われてスタッフとして働く場合、個人サロンを開業する場合、それぞれのメリットとデメリットについてご紹介します。
雇われのメリット・デメリット
大きな組織に所属し会社員としてサロンに勤務する場合、美容業界の平均年収は250万円〜300万円といわれています。
もちろん経験年数などによって収入の増加も見込むことができます。
すぐに施術できる環境が整っているので初期投資などの費用も不要な上、会社員なので福利厚生がしっかりしている場合が多いのもメリットです。
しかし、その一方で施術料金や物販売上のノルマが課せられたり、自分の意見が通りづらいというようなデメリットも存在します。
同僚と切磋琢磨しながら技術スキルを上げたい方や、安定した生活を送りたい方にはこのような働き方もおすすめです。
個人サロンのメリット・デメリット
個人サロン経営の場合のメリットはもちろん頑張れば頑張った分、売上が増え、自分の収入につながることです。
成功すれば会社員としてサロン勤務するよりも稼げるようになることが多いです。
また、自分の意思でサロンの方針を決定できるのも個人経営のいいところです。
しかし、その一方でお客様が減れば収入ダウンに直結します。
開業コストの調達やサロンのリスク管理も全て自分でこなさなくてはならず、施術のことだけでなく、あらゆる角度からサロンのことを考えなくてはいけないのがデメリットです。
個人サロンで売上アップする際のコツ
個人でサロンを開業するにあたっては、ただ純粋に施術をこなしているだけではお店の売上アップにはつながりません。
技術力を磨くことはもちろん大切ですが、プラスアルファの接客を意識することでお客様満足度が高まり、売上アップにつながります。
ここからはサロン経営をしていく上で売上をアップするためのポイントについてご紹介します。
ターゲットを明確にする
個人サロンを経営するために必要なのは、サロンとしてターゲットとする客層をしっかりと明確にすることです。
利用されるお客様が異なればお店に求めるものも異なります。
ターゲット層をきちんと明確にすることで、そこに合わせた施術メニューの設定、価格設定といった物もしやすくなり、お店の効率アップにもつながります。
物販で売上の幅を広げる
お店の収入源として施術以外にポイントとなるのが物販。
物販に力を入れるかどうかで、お店の売上も大幅に変動します。
施術におすすめの物販品を取り入れながら紹介したり、施術後にお客様が自宅でケアする際の不安などを聞き取りながらケア製品を積極的にお客様におすすめし、購入を促すことで客単価のアップにつなげましょう。
客単価が少しでもアップすれば、その積み重ねがお店の売上アップにもつながります。
なるべく単価を下げない
お客様を集客したいからという理由で単価を下げるのはNG。
確かにお客様の中にはサロンを選ぶ際に値段も考慮する方が多いですが、単価を下げたからといって売上アップにつながるわけではありません。
単価を下げ、お客様は増えたとしても、利益率の低下やサロンの負担が増えるだけでサロンの経営にとってはマイナスに作用してしまいます。
お店のクオリティを維持するためには適正な価格をしっかり維持しましょう。
サロンの雰囲気づくりを徹底する
個人サロンのいいところはお店にも自身のこだわりをしっかり反映できるところです。
街の中にある大手のサロンとの違いをしっかり出すために、サロンの雰囲気づくりには徹底的にこだわりましょう。
お店の照明やインテリアをはじめ、SNSなどの集客においてもお店のこだわりをアピールすることが大切です。
サロンの雰囲気づくりを徹底することでお客様にとっても非日常感を感じることができ、お客様満足度の向上につながります。
まとめ
個人サロン業界は現在、とても競争が激しい業界となっています。
そんななかでも、ひとつでも多くのお店が長く安定した経営ができるよう、売上の計算方法や売上アップのコツについてご紹介しました。
ご自身のこだわりが詰まった大切なサロン。
末長く安定した経営ができるよう、平均売上をひとつの目標とし、経営課題の解決に取り組むことが大切です。
技術を磨くだけでなく、ご自身のサロンの強みを生かしたプラスアルファを積極的に取り入れて、売上アップにつなげましょう。